「核を用いた兵器だ」恐怖あおるロシア 英国の劣化ウラン弾供給

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 ロシアのウクライナ侵攻をめぐり、英国がウクライナに供与する主力戦車の砲弾に劣化ウラン弾が含まれると表明した。ロシアは「核を用いた兵器だ」と放射能の恐怖をあおって猛烈に批判するが、米欧は「ありふれた兵器だ」と反論している。

 「こうした弾は、現代の戦車や装甲車を撃破するのに非常に効果的だ」。英国のゴールディ国防担当閣外相は20日、英議員からの質問への回答として、ウクライナに供与する戦車「チャレンジャー2」の砲弾に劣化ウラン弾が含まれることを明らかにした。

 国連軍縮部によると、劣化ウランはウラン濃縮の際に出る副産物で、ウランと同じ化学的毒性を持つが、放射線の毒性は低い。鉛の約2倍という高い密度を持ち、装甲板を貫通させるための砲弾に使われている。戦車など装甲車両の補強に使われることもある。

 ロシアのプーチン大統領は21日、モスクワを訪問していた中国の習近平(シーチンピン)国家主席との共同声明の発表でこの動きを取り上げ、米欧があたかも核を用いて戦闘を激化させるかのように批判した。「戦車だけでなく劣化ウラン弾もウクライナに提供すると聞いた。そうなればロシアは対応する必要がある。西側の同盟が核を用いた兵器を使い始める」

ロシア「環境汚染とがんを引き起こす」

 ロシア外務省のザハロワ報道…

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    クレ・カオル
    (フォトジャーナリスト)
    2023年3月26日3時9分 投稿
    【解説】

    劣化ウランは、天然ウランを濃縮する過程で得られるウラン238のうち、ウラン235を取り除いた残留物です。劣化ウランは非常に高密度で、非常に硬いため、防御力の高い装甲材料や、弾薬の貫通力を増すために使用されます。例としてウクライナでロシア軍が

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