第2回ドラマ「高校教師」衝撃の最終回、その舞台で紡がれたもう一つの物語

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 早春の柔らかな日差しを浴びた列車の中、互いに寄りかかり眠っているようにみえる男女がいた。女性はセーラー服姿だ。

 乗務員が声をかけても、2人とも反応しない。

 列車が小さく揺れた。

 力なく揺れる女性の右手の小指には、赤い毛糸が巻かれている。その赤い糸の先には、男性の右手の小指が……。

 1993年にTBSで放送されたドラマ「高校教師」の最終回の場面だ。

 真田広之さんが演じた32歳の高校教師・羽村隆夫と、桜井幸子さんが演じた17歳の高校生・二宮繭との関係を軸に、同性愛や性虐待、自殺などがとりあげられた。社会現象になるほど話題になり、主題歌である森田童子の「ぼくたちの失敗」もリバイバルヒットした。

 最高視聴率33%を獲得した最終回に登場したのが、JR信越線の青海川駅(新潟県柏崎市)だ。

 多くの視聴者が2人の行く末に関心を寄せるなか、この青海川駅の風景や2人を乗せた列車に釘付けになっていた男性がいた。

ドラマ「高校教師」で一躍有名になった青海川駅。立ち寄った人が思いを書き込めるよう、ある男性が駅にノートを置きました。駅とノート、人々をめぐる物語を追いました。

 その男性はいま、福岡県北九…

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