高校生しか乗らない列車 「邪魔」な川霧、宝だと気づいた若き船頭

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斎藤徹
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おかえり只見線③金山町観光物産協会の小沼優さん

 只見川両岸に迫る峡谷の緑が映り込んだ水面を、観光客を乗せた小舟が滑るように進む。

 聞こえてくるのは鳥のさえずりと虫の声だけ。櫂(かい)を巧みに操る船頭の小沼優さん(31)=金山町=が、深呼吸して言った。

 「日本の原風景がここにある。やっぱり気持ちがいいですね」

 9月半ば。JR只見線早戸駅(福島県三島町)近くの船着き場から、「霧幻峡(むげんきょう)の渡し」に乗った。4~11月の早朝から日没まで、只見川を周遊する観光客向けの渡し舟だ。朝と夕方に水面に発生する川霧が舟を包みこみ、幻想的な光景を体験できることから、そう名付けられた。

 元々は、郷土写真家の星賢孝…

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