あふれるコロナ死の遺体、火葬待ちの列 第7波の安置所の一日

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竹花徹朗 長島一浩
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 8月中旬、首都圏にある葬儀業者の安置所の保冷庫は、収容限度の9人の遺体でいっぱいだった。

 故人の名前が書かれたボードには、すべて「コロナ」の文字があった。新型コロナウイルスの感染が確認された死者という意味だ。火葬場へ送るまでの待機場所だが、8月に入って収まりきらなくなった。

 火葬日が近い遺体は、ひつぎに10キロのドライアイスを入れて別室で保管した。さらに収まらない遺体は提携する同業者の保冷庫に預けるなどして、何とかしのいでいた。

 午前10時、葬儀業者に電話が入った。担当者は「病院と施設で1人ずつ亡くなったという連絡がありました。これから引き取りにいきます」と話した。

 正午ごろ、感染防止の医療用ガウン姿のスタッフ2人が、4~5度で保たれる保冷庫から出されたひつぎの前にいた。2人はひつぎから、透明の納体袋に包まれた遺体を取り出した。故人の男性の顔に薄く化粧を施した。生前の穏やかな表情をイメージしたという。その後、遺体を再び丁寧に袋で包み、ひつぎに納めた。火葬前、遺族が最後の別れをするための準備だった。

 ビニールのキャップからしたたる汗をぬぐったスタッフは言った。「故人の最後の顔を見られれば、遺族には一つの区切りになる。対面できたかできないかで大きな差があります」。遺体を預かって8日目でようやく火葬場へ送り出せた。

 だが、その30分後には、午…

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