鶴岡の若者が考え行動する会、まずは沖縄の遺骨問題
若者なりに社会への違和感を話し合い、平和への行動につなげられないか。そう考えて動き出した人がいる。山形県鶴岡市のダンスインストラクター菊地将晃さん(35)。手始めに選んだのは、沖縄の基地建設に関する問題。大事にしたい「違和感」とは何なのか。
菊地さんは8月、「若者なりに社会を考える会・つるおか『PITOPE(ピトペ)』」を立ち上げた。ピトペは「piece to peace(平和へのかけら)」から。会員はまだ数えるばかりだが、若者を中心に社会問題を「ゆるく話し合える」場にしようと意気込む。
北海道士幌町の出身。山形大農学部を卒業し、鶴岡市内で福祉関係の仕事に就いた。仕事の関係で沖縄県うるま市に1年弱暮らし、基地問題という沖縄の陰にも目が向いた。その後に移り住んだ金沢市内で、社会活動に取り組む人たちと出会い、自分が感じる違和感について誰かと話すことの大切さを知った、という。
振り返れば、政府が沖縄県名護市辺野古で進める米軍基地建設には違和感を覚えていた。
沖縄戦の戦没者の遺骨を含む土砂を埋め立て工事に使うという国の計画について、「死んでなお人間が軽視されている」と。「自分の骨が混じった土砂を基地建設に使われるのは嫌だな」と感じ、「米軍基地の集中も含め、先の戦争は今でも終わっていない」と改めて思った。
そこで、ピトペの立ち上げとともに動き出した。まずは地元・鶴岡市議会で、中止を求める意見書を採択してもらおうと、請願のための署名集めだ。
市内の生協事務所前などに署名簿を置いてもらい、8月中にオンライン分も含め647筆を集めた。同様の請願が6月議会で不採択になっていたことから、現職市議らを訪ねてアドバイスを受け、12月議会への提出めざし準備している。
このほか8月末には「変ワル、加ワル、関ワル。ワルい若者になろう」をキャッチコピーにしたオンラインイベントも開催した。
菊地さんは「ダンスを指導している子供たちが大人になったときに戦争が起きたとして、『どうして止めてくれなかったの』とか言われたくないですしね」
ピトペの活動の中心に据えるのは、「日々の暮らしの中での『嫌だな』」という感覚だという。「知らないから、関係ないから」と線引きをせず、「知らないなりに、みんなで意見を持ち寄って考えようというものです」と言う。
署名やピトペについてはフェイスブック(https://www.facebook.com/pitope.8.8)へ。
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