日本のNGO現地スタッフ「アフガンから出られない」 

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斉藤太郎
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 アフガニスタンの首都カブールの国際空港付近でのテロにより、国外に逃れたい人々を退避させる日本政府の計画はさらに不透明感を増した。米軍の撤退期限となる月末は迫る。現地スタッフらの安全を願う「シャンティ国際ボランティア会(SVA)」の山本英里事務局長は「退避を望む多くの方々が取り残されてしまう。本当に苦しい」との悲痛な声を上げた。

 ――SVAの現地スタッフの状況を教えてください。

 私どもは地方都市などに事務所を置いています。日本人職員は配置していませんが、アフガニスタン人が30人ほど活動しており、国外退避を希望している人がいます。米国に退避を申請している人たちもいます。

 ――自衛隊機がカブールの空港に着いても、退避対象者が空港にたどり着けない状態が続いていますね。

 現地から「いくつもタリバンの検問があって、空港の近くにたどり着けない」という声がたくさん届いています。催涙弾のようなものを使われたという話もあります。退避を希望する人たちから「アフガニスタンから出られない」という声を毎日のように聞くなか、空港付近の爆発が起きました。状況はさらに悪化し、空港に近づくことはいっそう難しくなると思います。

 それでも、今月末の米国などの退避期限が迫っています。私どものスタッフに限らず、退避希望者はまだまだたくさんいるはずです。退避の許可を持っているのに、取り残される状況が起きてしまうでしょう。本当に苦しい思いです。

女性スタッフは声を失い、泣いた

 ――スタッフの安全対策はあらかじめ準備していたのですか。

 治安の悪化を想定して7月ぐ…

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この記事を書いた人
斉藤太郎
政治部|野党・国会担当
専門・関心分野
国内政治、野党、国会
アフガニスタン・タリバン暫定政権

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