それでもパパは育休を取った 男性社員「第1号」の決断

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滝沢卓
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 子どもが生まれて父親になり、育児休業を取りたいと思っても、社内に「経験者」がいないことから、会社の理解が得られるか不安、という男性は少なくありません。育休を取った経験がある男性がいる会社でも、長期にわたって取得した男性となるとたいていは少数派です。それでも、社内の先陣を切る形で育休を取った父親たちは、何を考え、どう動いたのでしょうか。

 「男性も取れるの?」。愛媛県内のメーカーで働く男性(38)は約8年前、育児休業を2カ月取ることを上司に伝えると、数秒の沈黙後にそう聞かれた。

 上司の反応は予想していた。自分だって、男性も育休を取れることを知ったのは結婚後だったからだ。知らないことは恥ずかしくないと受け取ってもらおうと、上司には「私も知らなくて、調べてみたら取得できるようです」と答えた。話をいったん持ち帰った上司からは数日後、「取得可能です」と返事があった。

 当初、上司に相談するかどうかは迷った。社員の9割が男性という職場で、それまで育休を取った男性はゼロ。子どもが生まれたと聞けば、育児の話題よりも「もっと仕事を頑張らないと」といったやりとりが大半だった。

 共働きの妻が育休から復帰する時に取ろうと思ったが、復帰まで半年を切った段階でも、踏ん切りがつかなかった。

 取得後に左遷されたり、退職に追い込まれたりするニュースが気になった。それでも、日に日に成長する長女を見て「仕事をしながらでは、この子とじっくり過ごす時間はない」と考えていた。

 妻に相談すると「世間がなんと言おうと、私は育休を取ってくれたらうれしい」と背中を押された。「転職はできても、家族は変えられない」。気持ちが固まっていった。

 しかし、上司に難色を示されたら、気持ちが揺らぐかもしれない。

 そこで男性は、育休開始の4…

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