JR九州、自動運転列車を営業開始へ 運転士は当面乗務

原篤司
【動画】JR九州が自動運転装置を使った営業運転に向け、運転士の訓練の様子を公開した=原篤司撮影
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 JR九州は22日、運転士が乗った状態の自動運転列車を在来線の営業運転に導入すると発表した。香椎線の西戸崎―香椎間(福岡市東区)で24日朝から始め、当分の間1日12往復させる。JRでは初めてで、踏切がある路線での自動運転営業は日本初という。

 自動運転装置が搭載されるのは、通称「DENCHA(デンチャ)」と呼ばれる819系の2両編成。国内では大半の路線が採用しているATS(自動列車停止装置)に、列車の速度監視や制御の機能を付けたシステムが使われている。21日には、営業運転に向けた訓練の様子が報道陣に公開された。

 運転士が白色の「走行開始要求ボタン」二つを同時に押すと、列車がゆっくりと動き始めた。アクセルとブレーキを担うレバーには一切触れず、運転士は左手を赤い非常停止ボタンに添えたまま、前方の安全確認に集中していた。次の駅に近づくと速度が自動的に落ち、ホームでぴったり止まった。ぎくしゃくした動作はなく、乗り心地も普段と変わらなかった。

 JR九州が自動運転でめざすのは、運転士の代わりに係員だけが乗務する「ドライバーレス運転」。運転士養成のための時間や費用の削減のほか、将来の人手不足への備えが目的だ。

 現在の鉄道の技術基準では、今回のシステムを使うには運転士の乗務が必要だが、JR九州は基準の改正を見込む。青柳俊彦社長は22日の会見で「システムの信頼性が高いと評価されたら、(適用路線を)さらに拡大していきたい」と話した。(原篤司)

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