日経平均、ほぼコロナ前の水準に 関連倒産は200件超

有料記事

笠井哲也 箱谷真司 吉田拓史
写真・図版
[PR]

 1日の日経平均株価の終値は、前週末から184円50銭(0・84%)高い2万2062円39銭と約3カ月ぶりに2万2千円台になった。新型コロナウイルスの影響で急落する前の水準にほぼ回復した。一方で、帝国データバンクの1日の集計では新型コロナ関連の倒産が200件を超え、企業業績は依然厳しい状況だ。

 東京都映画館やスポーツジムの休業要請を緩めるなど、経済活動再開に期待が高まり、幅広い業種で買い注文が広がった。上げ幅は一時200円を超えた。

 日経平均は1月20日に今年最高値の2万4083円をつけたが、3月19日には3年4カ月ぶりの1万6500円台に下落。その後、持ち直して4月末に2万円台へ回復した。米ダウ工業株平均も5月26日、ほぼ2カ月半ぶりに一時2万5千ドルの大台にのせるなど、世界の株価は持ち直しの傾向だ。

 背景には経済活動再開に加え、各国政府の財政対策や中央銀行の金融緩和がある。日本銀行は3月半ば、日経平均などの株価指数に連動させて株式に投資する上場投資信託(ETF)を当面、従来の2倍のペースで買うと決定。4~5月で約1・6兆円に達した。

 三井住友DSアセットマネジメントの市川雅浩氏は今の株価上昇について、日銀が「陰の立役者」と指摘する。ただ、「国内企業の業績は厳しく、経済指標も悪くなれば長続きはしないだろう。今後、売られる局面も出てくる」という。

 東証の株取引の7割以上は海外投資家が占め、米ダウ工業株平均と似た値動きになっている。海外投資家は3~4月に東証での売り越しが目立ったが、5月3週(18~22日)は700億円ほど買い越しに転じた。

倒産の波は大手にも

 株価回復の一方で、経営環境…

この記事は有料記事です。残り1014文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【春トクキャンペーン】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら