(おやじのせなか)安田菜津紀さん ルーツ隠す苦しみ、知らなくて

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 父は東京・新橋でうなぎ料理屋を構えていました。うなぎを焼く煙とタレの匂い、そしてその向こう側にうっすらと見える父。それがたぶん一番最初の記憶です。口数が少なく穏やかな人でしたね。

 幼稚園の頃にはっきり覚えている場面があります。その日は父が早く帰り、母に代わって絵本を読んでくれました。私をひざに乗…

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