折々のことば:1893 鷲田清一

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 誰も見る人のいない真夜中の母の正装は、しっかりと瞼(まぶた)に焼きついた。

 (信吉貴美子)

     ◇

 戦争末期、信吉さん(当時12歳)の母は女手一つで姉妹4人を育てた。食糧の配給も乏しい中、農家を訪ね、思い出の着物と交換にわずかの米を得る。前夜、母が独りそれをまとう姿が忘れられないと、信吉…

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