トランプ関税、どうなる日本の農水産品 米国で人気の和牛やブリは

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丸石伸一 山田暢史 岡本進
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 トランプ米大統領が打ち出した「相互関税」が9日に全面発動された。和食ブームや円安の追い風で、米国は日本の農林水産物や食品の世界一の輸出先となり、昨年の輸出額は2429億円に上る。国内市場が低迷する中、輸出拡大に活路を求めてきた現場の不安は大きく、動揺が広がっている。

 オホーツク海の流氷が去り、ホタテ漁が再開したばかりの北海道紋別市。地元の丸ウロコ三和水産の山崎和也社長は「(関税の)影響は絶対にある」と先行きを心配する。

 ホタテは「王様」とも言われる日本の主力海産物だが、受難が続く。2023年夏には東京電力福島第一原発処理水の海洋放出が始まり、水産物の輸出額で国・地域別でトップだった中国が輸入をストップした。

 大量のホタテが行き場を失い、危機的な状況に陥ったが、米国やベトナム、タイなど新たな販路拡大が助けとなった。昨年の米国向けの輸出額は191億円と、中国が禁輸を始める前の22年から2倍超に膨らんだ。単価も上がり、「追い風」が吹く。

 三和水産もこの1年で米国向けが倍増し、売り上げの5分の1近くを占める。衛生管理に厳しい米国向けに加工できる生産設備を増やし、増産に備えた。先月には米国人バイヤーが視察に訪れ、話しぶりから「買い入れ意欲が非常に強い」と感じていた。

 その矢先の相互関税24%の…

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この記事を書いた人
丸石伸一
北海道報道センター|経済全般、行政
専門・関心分野
経済全般、北海道
山田暢史
東京社会部|メディア担当
専門・関心分野
農林水産業、食、武道、災害
トランプ関税

トランプ関税

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