第4回「家族としか見られない」夫の言葉に絶望し、セックスレス解消した妻

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山本悠理 編集委員・岡崎明子
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A-stories セックスレス夫婦 ずっとこのまま?④

 大学1年生のとき、友人から紹介された彼はとにかく優しい人だった。

 6歳年上で、ゲームやサッカーなど趣味が豊富。それでいて穏やかな人柄にひかれた。5年の交際期間を経て、女性(35)は結婚した。

 結婚後も、夫は変わらず優しかった。女性はもともと控えめで、あまり思いを口に出すことはないタイプ。長時間、外で人と会っていると疲れてしまうが、自宅で夫といるときはホッとできた。

 「すぐ子どもが欲しいね」。週1回は夫婦関係を持った。なかなか妊娠できなかったが、27歳の時に長男を出産した。

 初めての育児は想像以上に大変だったが、夫も帰宅後や休日には、進んで家事や育児に参加してくれた。「彼のことが大好き」という気持ちは全く変わらなかった。

 2年後には次男が生まれた。

 イヤイヤ期のまっただ中の長男に新生児も加わり、一瞬たりとも気が抜けなかった。

 「もう無理」。職場にいる夫に、泣きながら連絡したこともあった。夫はあわてて早退してくれた。

 1年ほど経つと、2人の子どもの世話も少しずつ落ち着いてきた。

 思い返せばそれまでは気持ちに余裕がなく、気づけばセックスレスになっていた。また、夫婦の関係を持ちたい。そう思うようになった。

 リビングでくつろぎながら夫に甘えてみたり、手を握ってみたり。色々と試したが、夫から求められることはなかった。

彼が知らない女性と…悪夢に跳び起きた夜

 それから、何もないまま時間…

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この記事を書いた人
山本悠理
デジタル企画報道部
専門・関心分野
現代詩、現代思想、演劇・演芸、法律学
岡崎明子
編集委員|イチ推しストーリー編集長
専門・関心分野
医療、生きづらさ、ジェンダー、働き方
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    小林恭子
    (在英ジャーナリスト)
    2025年4月7日15時30分 投稿
    【視点】

    良く解決できましたね!妻の勇気と決してあきらめないアプローチに感動しました。 夫婦は両者でその関係を築いていくものですよね。記事を読みながら、「もうこの夫とは一緒にいないほうがいいのでは」と思うこともありました。 人によって、性的欲求が

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  • commentatorHeader
    杉田菜穂
    (俳人・大阪公立大学教授=社会政策)
    2025年4月7日18時3分 投稿
    【視点】

    この話題に限らず、相手がある問題や悩みについて「話し合いが大事」と言われることがよくある。それはもっともだと思うのだが、「(話し合いが大事といわれても、)そもそも話し合いをするのがしんどい」「(話し合いが大事といわれても、)話し合いができる

    …続きを読む