道路陥没事故でも投入 屋内点検用ドローン、国内300カ所超で導入
高度成長期に整備され、老朽化が進む全国のインフラ施設で、ドローンを活用した点検が広がっている。
従来、点検作業は目視や打音での確認を基本としてきたが、作業が難しい狭小な箇所や、高所で危険が伴う現場も多い。鉄道や高速道路の各社は、鋼橋や橋梁(きょうりょう)、高架橋の点検の一部にドローンを導入し、作業効率や安全性の改善につなげている。
埼玉県八潮市で今年1月28日に発生した道路陥没事故でも、ドローンによる下水管内調査が実施された。投入された屋内点検用ドローン「ELIOS 3(Flyability製、本社・スイス)」は、地下インフラのようなGPSが届かない環境でも安定した飛行が可能で、搭載したセンサーでリアルタイムで3Dマップを作ったり、測量したりできるという。
調査を行ったブルーイノベーション(東京都文京区)は、Flyability社の日本国内唯一の正規代理店で、ELIOSシリーズを活用した点検ソリューションを提供している。下水道や発電所、プラントなどを中心に、国内300カ所を超える現場での導入実績がある。「姿勢制御に優れ、過酷な現場でも安心して飛行させることができる。その分、注力して調査作業を進められる」と、同社ドローンパイロットの五十嵐穣史さんは話す。
厳しい環境での運用には、高度な操縦技術が不可欠で、同社では、技術や知識を習得するため、ドローンを操縦するパイロットによる講習も行っている。同社の熊田貴之社長は、今後も各機関との連携を強化し、「全国各地の公共インフラや災害などの現場における、点検・測量の効率化と安全性向上に寄与していきたい」と話す。
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