中高生ら19人への性加害を認定 著名な海洋生物学者が教え子に
旧ジャニーズ事務所創業者の故ジャニー喜多川氏の性加害問題が日本で社会問題化して2年。故喜多川氏と同じように立場を利用して、著名な海洋生物学者が長年にわたって多くの少女たちに性暴力を繰り返していた事案がある。しかし、インターナショナル・スクールが舞台となっていたこともあり、日本社会ではほとんど知られておらず、被害者らからは「事実を知ってほしい」という声が上がっている。
この性暴力事案は、米国人の海洋生物学者、故ジャック・モイヤー氏(2004年に74歳で死去)によるものだ。モイヤー氏は1962年から2000年まで、東京都調布市にあるインターナショナル・スクール「アメリカンスクール・イン・ジャパン」(ASIJ)に教員やコンサルタントとして勤務。学校の近くと三宅島の2カ所に家をもち、教員として科学や日本文化・社会科目を教え、7年生(日本の中学1年相当)向けの三宅島での校外学習の企画・運営も行っていた。1984年に教科教員としての勤務を辞めて三宅島に移住した後もコンサルタントとして三宅島での校外学習を運営した。
モイヤー氏からの性被害を訴える元生徒らの声を受け、ASIJは14年に米国の法律事務所に調査を依頼。調査は、60年代から2015年までの人事ファイル、卒業生のファイル、理事会の議事録、電子メール、年報、三宅島プログラムに関連した資料など約2万6千に及ぶ文書を収集・検討したほか、110人超の教職員や卒業生らにも聞き取りをするなど詳細に行われた。その結果、少なくとも19人の被害者を特定した。翌15年にモイヤー氏の長年にわたる多数の女子生徒への性加害を認定する報告書がまとめられた。
11~12歳の時の性加害も証言
報告書によると、モイヤー氏…
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