県指定文化財に新たに4件 博多曲物、桂川古墳群など
福岡県教育委員会は10日、「小川文書(もんじょ)」(久留米市)、「博多曲物」(志免町)、「桂川古墳群」(飯塚市、桂川町)、「若杉山の大スギ」(篠栗町)の計4件を新たに県指定文化財に加えることを決めた。
県教委によると、小川文書は現代の久留米市田主丸町の小川天満宮に伝わり、同地域を拠点とした小さな武士団「国人(こくじん)」の小河氏が、九州北部の守護を務めた大友氏から発給されるなどした中世の文書など計20点からなる。国人に関する史料がまとまって残っているのはめずらしく、当時の地域支配の状況が分かる点などが貴重という。
博多曲物は、スギなどの薄板を曲げるなどして作る木工芸品で、四角く角があったり、絵付けがされていたりするのが特徴だ。昭和初期には二十数軒の工房で作られていたが、現在は「博多曲物 玉樹(たまき)」(志免町)で第18代柴田玉樹氏が作るのみという。
桂川古墳群は、それぞれ6世紀中ごろと後半に作られたとみられる前方後円墳「ホーケントウ古墳」と「天神山古墳」などからなる。ホーケントウ古墳にだけ円筒埴輪(はにわ)といった装飾があるなどの違いから、古墳が作られる意義がどのように変化したのかをみてとれるという。
若杉山の大スギは、篠栗町と須恵町の境界にある同山(標高681メートル)のスギ林に生える。高さ43メートル、根元周囲は16.2メートルあり、地元では「大和の大スギ」とも呼ばれている。樹齢は数百年あるとみられ、県内の他のスギと比較して、同一個体として高さなどが最大級という。
県教委はそのほか、県が有形文化財に指定している「観世音寺(かんぜおんじ)講堂 金堂(こんどう)」(太宰府市)に、建立や大規模な修理をした年代などを示す札「附(つけたり) 棟札(むなふだ)3枚」を追加指定することを決めた…
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