トランプ氏、戦時下の「敵性外国人法」発動 不法移民ギャングに対抗

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ワシントン=高野遼

 トランプ米大統領は15日、ベネズエラから不法入国したギャング組織を取り締まるため、1798年に制定された「敵性外国人法」を発動させると発表した。戦時下を想定した古い法律を持ち出すことをめぐっては、法的な問題点を指摘する声も出ている。

 発表された大統領布告によると、トランプ氏はベネズエラのギャング組織「トレン・デ・アラグア」が不法移民として米国に流入し、殺人や誘拐、麻薬売買などに関わっていると指摘。組織のメンバーを拘束し、国外追放するよう司法長官らに指示した。

 敵性外国人法は、当時関係が悪化していたフランスとの戦争に備えて制定された。戦時下に大統領の権限で、敵国の市民を拘束、国外追放することを認めるもので、外国による宣戦布告や侵略などがある場合に発動できる。トランプ氏は、ギャング組織はベネズエラのマドゥロ政権から指示を受けて、米国への「侵略」を続けているのは明らかだとして、敵性外国人法の発動に踏み切った。

日系米国人の強制収容に使われた過去も

 米メディアによると、トレン…

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この記事を書いた人
高野遼
アメリカ総局
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国際ニュース
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    三牧聖子
    (同志社大学大学院准教授=米国政治外交)
    2025年3月16日19時25分 投稿
    【視点】

    第2次世界大戦中、日系人を強制収容する際に使われ、後にレーガン大統領が公式謝罪することになった「敵性外国人法」が再び発動されようとしている。対象は、ベネズエラから不法入国したギャング組織とのことだが、記事が指摘するように乱用の懸念は大いにあ

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