ハマス、米国籍の人質解放を表明 恒久停戦向けイスラエル揺さぶりか

根本晃
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 パレスチナ自治区ガザでの停戦と人質解放の交渉をめぐり、イスラム組織ハマスは14日、拘束している米国籍の人質を解放すると表明した。恒久停戦に向けた協議が膠着(こうちゃく)するなか、一定の譲歩を示すことでイスラエル側をゆさぶる考えとみられ、同国の対応が焦点となっている。

 1月19日に始まったイスラエルとハマスの停戦は、イスラエル側の人質とパレスチナ人拘束者の解放を進めた第1段階が3月1日に終了したが、イスラエル軍のガザからの完全撤退と恒久停戦の合意を含む第2段階への移行を巡り双方の立場の隔たりが埋まらず、継続が危ぶまれている。

 米紙ニューヨーク・タイムズNYT)がハマス幹部の話として伝えたところによると、ハマスは米国籍を持つイスラエル兵の人質1人と米国籍を持つ人質の遺体4体の解放と引き換えに、イスラエルがガザへの支援物資の搬入を再開し、停戦の第2段階への移行について協議に応じることを求めているという。解放の時期は明らかにしていない。

 これに対し、第1段階の延長を求め、第2段階への移行に消極的なイスラエルの首相府は14日、「ハマスが人質の家族に対する心理戦を続けている」と反発。ネタニヤフ首相が15日に閣僚らと協議し、対応を検討するとした。

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この記事を書いた人
根本晃
イスタンブール支局長|中東・欧州担当
専門・関心分野
国際政治、トルコ、ガザ、ウクライナ、語学
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    川上泰徳
    (中東ジャーナリスト)
    2025年3月16日17時9分 投稿
    【視点】

    米国の特使がハマスと直接協議をした結果、ハマスが米国籍の人質解放を表明した。それに対して、イスラエル首相府が「ハマスが人質の家族に対する心理戦を続けている」と反発するのは、人質解放をめぐってネタニヤフ首相・政権と、国民の間に亀裂があるためだ

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