第1回突然やってきた「PFASクライシス」 そのとき米国の住民たちは

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ミシガン州パーチメント=合田禄
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 米中西部ミシガン州パーチメント市は、小高い丘に一軒家が立ち並ぶ人口約2千人の町だ。住民のタミー・クーパー(39)が隣人から「水道水を飲まないで」とテキストメッセージを受け取ったのは2018年7月26日の夕方だった。

 日本で来年4月から有機フッ素化合物(総称PFAS)の水質検査が水道事業者に義務づけられる見込みで、今年3月下旬まで意見募集が実施されています。先行して検査を実施してきた米国では、高濃度のPFASが水道水から発見されて対応に迫られる「PFASクライシス」に見舞われた町がありました。住民や自治体はどう対応したのでしょうか。

 初めは水道のパイプが壊れて細菌が混入したのかと思った。「煮沸するようにってこと?」とその隣人に尋ねると、「いいえ、水は一切使えないよ」と返ってきた。

 すぐにインターネットで検索した。市のフェイスブックを見て、PFAS(ピーファス)(有機フッ素化合物の総称)が水道水に混入していることが分かった。

 「PFASって何?」

 通常の水道に関する注意喚起とは何か違う。その晩に地元自治体の記者会見もあるという。クーパーは思った。「これは大変なことが起きている」

始まりは水質検査

 発端はその1カ月前、ミシガン州による水道水のPFAS検査だった。州内の大規模な水道事業では定期的な検査がおこなわれていたが、パーチメント市の水道事業は規模が小さいため、検査されたことがなく、このときが初めてだった。

 18年6月18日、州が雇った検査会社の社員が、パーチメント市の水道やその水源の井戸の水を持ち帰った。市の水道事業を担当するジョー・ボノーム(64)が、郡の危機管理責任者から「緊急事態だ。すぐに駆けつけてほしい」という電話を受けたのは7月26日の夕方だった。

 検査では、ともにPFASの…

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この記事を書いた人
合田禄
アメリカ総局|科学・米国政治担当
専門・関心分野
科学、医療、気候変動、宇宙開発
PFAS問題

PFAS問題

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