リニアの工事説明会に住民ら100人 JR東海が大井川流域で初開催

林国広

 リニア中央新幹線工事による大井川の水資源への影響をめぐり、JR東海は7日、住民説明会を静岡県島田市内で開いた。報道陣には非公開で、会場内では水資源を守るための同社の取り組みや、静岡工区の事業概要などをパネル三十数枚と動画(約9分間)で紹介。訪れた住民に社員が説明したり、質問に答えたりしたという。大井川流域エリアで住民説明会が開かれるのは初めて。

 同社によると、この日は約100人が来場した。来場者からは、そもそもなぜ水が出るのかや、水質の状況などについての質問があったという。同社の中央新幹線静岡工事事務所の永長隆昭所長は「皆さんの懸念に真摯(しんし)に答えていかなければいけない。今後情報提供のあり方を検討したい」と述べた。

 会場を訪れた農業の60代男性は「大井川の水の将来が気になるので来てみた。パネルでは専門的な用語も多く、十分に理解できなかった。また説明内容がJRの言い分ばかりなので、『静岡工区内で湧き出る水はすべて大井川に戻す』という話がどこまで信頼できるのかも分からなかった」と慎重な見方を示した。

 また、無職の70代女性は「水の問題について丁寧に説明してくれた。それなりに理解は進んだと思う。ただ、県など自治体との議論内容を含め、すべての情報を住民に示してほしい」と注文を付けた。

 染谷絹代市長は説明会の終了間際に会場を訪問。取材に対し、「パネルの解説も丁寧だった。市民にとって疑問を解決できる場になったのではないか。今後も色々な場面で説明会を開催してほしい」とコメントした。

 説明会は来月下旬にかけて、島田市を含む大井川流域8市2町で、各2回開催する…

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