第1回25年後、日本は外国人が1割? 地方で進む「開国」と「争奪戦」
コロナ禍が収まった後、日本に住む外国人が毎年1割のペースで増えている。その主役は都市部ではない「地方」だ。朝日新聞が自治体にアンケートをしたところ、海外の自治体や大学に人材を供給してもらう協定の締結が急増。少子高齢化が進んで労働力不足が深刻化するなか、地方の「開国」と外国人材の「争奪」の実態が明らかになった。
協定締結の地方での広がりを踏まえると、日本の総人口に占める外国人の割合は、国の予測を大幅に前倒しし、2050年ごろに1割になる可能性がある。
A-stories「地方開国」
日本で働く外国人がコロナ後に急増しています。とりわけ積極的な受け入れをみせるのは、都市部ではない「地方」です。深刻な人手不足に直面した地方の「開国」と外国人材を取り合う「争奪」の実態を全7回で描きます。
朝日新聞は47都道府県と20政令指定都市の計67自治体に24年10月にアンケートを実施し、補足取材をして結果をまとめた。
地方自治体が外国人材の有力な確保策と位置づけるのが、海外の政府、自治体や大学などと結ぶ「国際交流協定(MOU)」だ。「覚書」とも言われる枠組みで、日本側の自治体は来日前後の日本語教育や生活支援などを受け入れ支援策として示し、人材を優先的に送り出してもらう。
67自治体のうち28自治体(41.8%)が、14年以降に計87本のMOUを締結していた(今後締結を予定する1本を含む)。最多は横浜市(19本)で、茨城県(10本)、千葉県(6本)、長崎県(5本)などと続いた。
締結時期をみると、18~1…
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- 【視点】
外国人労働者は、都市部に集中している。私が調査研究に関わるなどしてきた大阪市にかんしていえば、2023年12月末時点で、生野区(22.55%)、浪速区(15.29)、西成区(12.82)は外国人住民の比率が10%を超えている。外国人(特に、中国人)の定住者が増えていて、将来の人口予測や行政需要の変化を捉えるにおいて文教地区に住む富裕層の外国人が増えていることにも関心が集まっている。そんな状況だ。 外国人住民に対する多文化共生政策は、在日韓国・朝鮮人が多かった川崎市や大阪市において人権保障の観点から外国人住民施策の必要性が提起されたことにはじまって、地域レベルの取り組みが展開されてきた経緯がある。2000年代以降でいえば、2001年に静岡県浜松市、愛知県豊田市、群馬県大泉町などの13市町で「外国人集住都市会議」が結成されて国に対して外国人受け入れ体制の整備を求めたこと、2004年に愛知県、群馬県、岐阜県、静岡県、三重県、名古屋市が「多文化共生推進協議会」を立ち上げて国に提言活動を行ったことなどがある。2008年には東海 3 県 1 市(岐阜県、愛知県、三重県、名古屋市)が地元経済団体と協力して、地域経済を支える外国人労働者の適正雇用と日本社会への適応を促進するための「外国人労働者の適正雇用と日本社会への適応を促進するための憲章」としてとりまとめ、それに沿って自主的に日本語教育や地域社会参画の機会確保、労働関係法令の遵守やその観点を取り入れた調達先・取引先の選定等に努めているといった地域連携の動きもある。 都市部と地方部の格差解消につなげるための外国人住民の受け入れ体制の整備における広域連携など、先進地域から学べることがありそうだ。
…続きを読む - 【視点】
結論から:日本の価値観ややり方を外国人に押し付けるのではなく、尊重してもらうと同時に、彼らの文化や価値観とも融合していくことができれば、日本はより多様で経済的にも文化的にも豊かな素晴らしい国になるのではないかと考えます。 大学も留学生の争
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