JR車両基地移転、高架化で工期4年短縮も費用増 県が検討結果公表

相江智也

 後藤田正純知事が打ち出しているJR徳島駅周辺の街づくり構想で、線路の高架化に伴って駅北側のJR車両基地を徳島市文化センター跡地に移転した場合の事業費と工期について、徳島県が19日、検討結果を公表した。市南部に移転するこれまでの計画より事業費は高くなる一方、工期は約4年短くなるとしている。

 2006年度に策定された鉄道高架事業の現計画は、徳島駅西側から二軒屋駅の南側までの約4キロを高架化し、車両基地は市南部の牟岐線沿いに移転する内容。後藤田知事は新たに、同区間を高架化し、県立新ホール計画地としてきた市文化センター跡に車両基地を移す計画を示している。駅北側は大型アリーナを新設するなど、にぎわいづくりに活用する構想だ。

 今回は、車両基地の下部を有効活用できる「高架橋構造」で検討した。

 新計画の概算事業費は約850億円(現計画800億円)。車両基地を高架にするため工費がかさむ一方、現計画では必要な列車がすれ違うための線路は不要となる。

 想定される事業期間は13年(現計画17年)。現計画のように工期を分ける必要がなくなり、工期が短縮できるとしている。着工前に、都市計画決定などの手続きに3~4年がかかることから、完成は2040年代になるとみられる。

 事業費のうち、県と市の負担額はそれぞれ約180億円で、現計画より約10億円ずつ増える。JRが約60億円で、残りは国の補助金を充てる。

 線路の高架化は、踏切による事故や渋滞、町の分断の解消につながる利点がある。国土交通省の基準に基づく費用対効果の指標(費用便益比)は1.2で現計画の1.3を下回るが、事業採択の目安の1.0は上回るという。

 県は検討結果を基に、市やJRなどと協議する方針…

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