石破首相が見誤った、裏金問題への大きな不信 混迷する政治の行方は

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聞き手・池田伸壹
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 自民党が大きく議席を減らした衆院選。政治学者で東京大学教授の牧原出さんは、「公正さ」を失った政治に対する国民の怒りがこの結果を招いた、と言います。これからの日本の政治に何が重要なのか、聞きました。

 27日に投開票された衆院選の結果をいち早く分析し、今後の政治の行方について識者と考える連載です。

 与党、特に自民党が議席を減らした原因は、政治が「公正さ」を失ったことに有権者が不信感をつのらせたことではないでしょうか。これを乗り越えることがこの国の政治に課せられた最大の課題です。来年夏の参院選もやはりこれが問われるでしょう。

 自民党の派閥パーティーをめぐる裏金問題の発覚後、岸田文雄前首相が政治資金規正法の改正を行い、この問題の責任をとる形で退陣しました。しかし自民党は、政治とカネをめぐる問題への国民のやむことのない怒りをつかみ切れていませんでした。

 日本全体が右肩上がりだった戦後の高度経済成長の時代には、政治だけでなく社会のいろいろなところでも、こうした裏金のような慣行が黙認されていたのではないでしょうか。しかし、いまはコンプライアンスが厳しい時代です。自民党は「領収書の切れないお金は許されない」という時代感覚から、大きくずれていたということだと思います。

有権者を失望させた対応ぶり

 選挙期間を通じて、自民党と…

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    鈴木一人
    (東京大学大学院教授・地経学研究所長)
    2024年10月29日3時40分 投稿
    【解説】

    牧原さんが指摘している「公正さ」というのは、自民党だけでなく、今や世界中でキーワードになっている。トランプ支持者も欧州の極右政党の支持者も、自分たちが不公正な世界で生きており、その不公正さをただすことを表明している候補や政党を支持している。

    …続きを読む
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