輪軸緊急点検、JR北海道「問題なし」 札幌・函館の市電に不正あり

上地兼太郎 原知恵子
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 JR貨物で発覚した、鉄道車両の車輪に車軸をはめ込む「輪軸組み立て作業」での検査データ改ざん不正にからみ、JR北海道は27日、緊急点検の結果を公表した。在来線の車両の一部に、社内で定めた作業の目安の値から前後していたものなどがあったが、安全性や列車の運行に支障はないという。

 今月発覚したJR貨物の不正を受け、国が全国の鉄道事業者に点検を指示していた。JR北によると、新幹線の車両30両(輪軸120本)と在来線の車両880両(約3600本)をそれぞれ調べたところ、検査データの改ざんはなかった。また、新幹線の車両に異常はなかったが、在来線は191両(453本)に、車輪を車軸に押し込む際に測る「圧入力値」で、目安の値をわずかに超えたり、記録が残っていなかったりしたケースがあった。1987年のJR北発足以降、目安値を超過した際の作業手順を決めていなかったり、データの記録方法が統一されていなかったりしたため。今後は徹底するという。

 一方、札幌市交通局は市電(路面電車)のうち2両(2本)の輪軸の検査データに不正があったと、検査を受託している「京王重機整備」(東京)から報告を受けたと26日に発表した。この2両は現在運行していない。函館市電でも、同社が整備したうちの1両(1本)に不正があったと報告されたという。

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この記事を書いた人
上地兼太郎
経済部兼北海道報道センター|北海道農業・経済・電力・JR北海道
専門・関心分野
デジタル分野、北海道