デジタルに押されたわけではない…栃木最大規模の書店が9月末閉店へ

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由利英明

 宇都宮市の中心街にある栃木県内最大規模の書店が、9月末で閉店する。売り上げがピーク時の約6割まで落ち込んだ。店側は、オンライン書店や電子書籍の普及よりも、別の要因が大きかったとみている。

 営業を終えるのは、同市馬場通り2丁目の喜久屋書店宇都宮店。そばにオリオン通り商店街があり、飲食店が並ぶ繁華街に立地する。2005年3月にビル(当時ラパーク長崎屋宇都宮店、現MEGAドン・キホーテ宇都宮店)の5、6階部分にオープンし、今年は開店20年目だった。

 売り場面積は約3千平方メートル、扱う書籍は約32万冊。「北関東最大級」をうたい、全国30店舗以上を運営するキクヤ図書販売(神戸市)グループの中でも最大規模だった。かつて東武宇都宮駅とJR宇都宮駅の間に大型書店がいくつも誕生し、「宇都宮書店戦争」と呼ばれたこともあった。

 年間売上高は、08年ごろの2億5千万円弱が最高だった。価格が比較的高い専門書の品ぞろえに力を入れ、実際に本を読み比べられる「リアル書店」の強みを生かした。常連には理工系の書籍を求める工場関係者もいた。1人当たりの購入金額でライバル店に差をつける狙いもあった。

ビル撤退、人が集まらなくなった…

 だが、売り上げは少しずつ落…

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この記事を書いた人
由利英明
宇都宮総局長
専門・関心分野
スポーツ、国際、経済、医療、介護