再審請求、眠った証拠が「真実示す」 著名事件担った元裁判官の教訓

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森下裕介

 「日々の事件で精いっぱい。本腰を入れて取り組めないこともあった」

 元東京高裁判事の門野博弁護士(79)には、苦い経験がある。有罪が確定した人が、裁判のやり直しを求める再審請求事件。若い頃、裁判長から担当を任されても「二の次になりがちだった」。背景には、再審請求審の手続きについて、規定がほぼないことがあった。

再審請求「手続きの不備で救済が困難に」 裁判官らが語る審理の内実

朝日新聞社は、再審請求審に携わった経験がある元裁判官らに制度の運用実態や課題を尋ねました。門野弁護士ら18人の回答内容は、こちらの記事でご覧いただけます。

 刑事裁判の手続きを定めた刑事訴訟法には500条超の定めがあるが、再審については、裁判所の裁量で「事実の取り調べができる」などの19カ条だけ。期日指定や証拠開示などの手続きは「裁判官のさじ加減」で決まると受け止めていた。

 「できれば後任に任せたいと…

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この記事を書いた人
森下裕介
ネットワーク報道本部|地方裁判担当
専門・関心分野
司法、刑事政策、人権
袴田巌さん、再審無罪

袴田巌さん、再審無罪

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