デジタルで心臓そっくり再現、安全な小児手術に 未来の医療めざす
瀬川茂子
「赤ちゃんの心臓はとても小さいです。生まれつきの心臓病では形が複雑でひとりひとり違う」
手のひらに収まる心臓模型を国立循環器病研究センター(国循、大阪府吹田市)の白石公・名誉客員研究員が見せてくれた。さわると、とてもやわらかい。
生まれつき心臓に病気がある赤ちゃんはおよそ100人に1人生まれる。
もともと心臓は複雑な構造だ。その上、病状はさまざまだ。より安全で確実な手術を支援するために、国循とクロスメディカル社(京都市)は、患者のCT画像データから3次元構造を再現、やわらかい素材で心臓模型を開発した。本物そっくりの模型で計画を立て、切開したり縫ったりの手術リハーサルもできるようになった。
手術後はどうなるのか。白石さんらは、この技術とシミュレーション技術を結びつけ、術後の血流変化、血圧、酸素飽和度などの効果を予測し最適な治療法を提案するシステムを開発した。
心臓シミュレーション技術の…
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