戦争が強いる「らしさ」 ジェンダーの視点からめざす核兵器廃絶

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花房吾早子
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 核軍縮の政策を決める男性、「母」や「大黒柱」になれないと忌避される被爆者の男女――。核兵器をとりまく状況には、性別による様々な不平等が潜んでいる。そんな、ジェンダーの視点から核兵器廃絶をめざす動きが広がっている。

 ソファに座り、何げなく画面に目をやる2人。画面の中の人が演説する。

 「核実験をすることで、去勢された男性ではないと証明するのだ」

 突然、2人はタイムスリップし、戦争、そして、核開発競争の時代へ。

 アニメ動画「入門!核兵器とジェンダー」(約5分半)は、こうして始まる。今春、核廃絶とジェンダー平等をめざす学生団体「GeNuine」が制作。YouTubeで公開している。

 冒頭の演説は1998年、インドが核実験を行った後、ヒンドゥー・ナショナリストの政治家が実際に言ったことだ。指導者が「核保有」を正当化するため、「男性的な力」と結びつける例として知られている。

 アニメはこのほか、戦時下で…

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この記事を書いた人
花房吾早子
大阪社会部|平和・人権担当
専門・関心分野
原爆、核廃絶、ジェンダー、LGBTQ+
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    田中美穂
    (カクワカ広島共同代表)
    2024年7月14日18時39分 投稿
    【視点】

    多くの方にこの動画をご覧いただきたいです。以前徳田さんの講演を拝聴したとき、「目に見えなかったジェンダーを意識的に文書や議論に盛り込んでいく必要がある」「変えようという意思がないと、条約はただの文字の集まりになってしまう」と仰っていて、その

    …続きを読む