跨線人道橋の歴史的・技術的価値、調査報告書が完成 太宰治の写真も
平山亜理
中央線や総武線が通るJR三鷹駅(東京都三鷹市)に近く、昨年末から解体工事が始まった三鷹跨線(こせん)人道橋について、技術や歴史の観点から価値をまとめた調査報告書が完成した。跨線橋を愛した作家・太宰治の橋への思いにも触れられている。「太宰ファンも電車ファンも、よく散歩をしていた人も新しい視点で楽しめる」という。
市が工学院大学建築学部建築デザイン学科初田研究室に委託し、2021~23年度に調査。歴史的価値や技術的な価値を考察し、記録保存する目的で報告書をまとめた。
「離れ小島」つなぐ目的も
報告書によると、三鷹には昭和初期の1929年、電車網が都心に発達していく中で、ピストン輸送する場所として電車庫ができた。それに伴って離れ小島のように分断されてしまった上連雀地区の一部と結ぶのが、長さ約90メートルの跨線橋が造られた目的の一つだったという。行き交う列車や富士山を眺められる場所として、長く多くの人に愛されてきた。
■1911年にドイツで作られ…
【春トク】締め切り迫る!記事が読み放題!スタンダードコース2カ月間月額100円!詳しくはこちら