JR西、利用低迷の木次線のあり方議論を 首長ら、廃止前提なら拒否

渡辺翔太郎

 JR西日本の佐伯祥一・山陰支社長は23日、利用が低迷している木次線の出雲横田(島根県奥出雲町)―備後落合(広島県庄原市)間の今後のあり方について、島根、広島県や沿線自治体との議論を始めたいとの意向を表明した。

 JR西によると、2022年度の同区間(29・6キロ)の輸送密度(1キロあたりの1日平均利用者数)は54人で、1998年度の約6割に減少。JR西管内では、存廃などを議論する「再構築協議会」が開かれている芸備線の一部区間より利用者が少ないという。

 佐伯支社長はこの日の会見で、「(同区間は)大量輸送という鉄道の特性が発揮できていない。通勤通学や生活での利用もほとんどない。持続可能な交通体系を模索するため、(両県や沿線自治体に)お伺いして説明、ご相談させていただきたい」と述べた。

 佐伯支社長の発言を受け、丸山達也・島根県知事と糸原保・奥出雲町長はいずれも、JR西からの相談が同区間の廃止を前提とするものであれば応じられないとのコメントを出した。その上で丸山知事は「沿線自治体や広島県の意見を確認し、対応を考えたい」、糸原町長は「住民の生活を支え、島根・広島両県を結ぶ大切な鉄道ネットワークである木次線を守るため、引き続き、県や沿線自治体と連携して、利用促進に取り組んでいく」とした。(渡辺翔太郎)…

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

【秋トクキャンペーン】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら

この記事を書いた人
渡辺翔太郎
米子支局長|鳥取県西部担当
専門・関心分野
地域の話題、環境