パナソニックの「慣例だった」別カメラの写真利用 法違反の可能性も

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清井聡 渡辺七海 福岡龍一郎
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 パナソニックが6月に発売する新作カメラについて、このカメラで撮っていない外部の写真を使って性能のよさを宣伝していたとして、謝罪に追い込まれた。同様の行為は長年続いていたとみられ、不適切であるとは「今になって認識した」(広報)。専門家は法律違反の可能性を指摘する。

 パナソニックが新たに売り出すミラーレス一眼カメラ「LUMIX DC―S9」(本体のみで税込み約21万円)の商品紹介ページ。5月23日の公開後、SNSなどで「不誠実だ」「メーカーとして致命的」といった批判が広がった。

 カメラの「特長」のページでは、草むらをこちらに向かって走る犬の写真に、「進化したリアルタイム認識AFにより、動きのある被写体の撮影で自動的にピントが合います」とある。S9でこうした写真が撮れるのかと思いきや、この写真は外部の写真提供サイトから権利を買ったものだった。

 撮影段階から色合いを自分好…

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この記事を書いた人
清井聡
経済部
専門・関心分野
企業経営、ガバナンス、産業政策
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    インベカヲリ★
    (写真家・ノンフィクションライター)
    2024年5月31日18時57分 投稿
    【視点】

    カメラを開発している技術者たちに対して、とても失礼だと思う。広告を作る側が、写真なんてどれで撮っても同じだと勝手に判断しているようなものだ。しかも、『不適切であるとは「今になって認識した」』というのだから、よほど社内の風通しが悪いのだろう。

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    明石順平
    (弁護士・ブラック企業被害対策弁護団)
    2024年5月31日22時7分 投稿
    【解説】

    記事で指摘されている景品表示法が禁じる「優良誤認表示」とは、不当景品類及び不当表示防止法5条1号の表示のことである。条文を引用する。 ===== (不当な表示の禁止) 第五条 事業者は、自己の供給する商品又は役務の取引について、次の各号の

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