司令官査察中の海自ヘリ事故に衝撃 対潜戦「任務の核心中の核心」

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編集委員・土居貴輝
【動画】伊豆諸島・鳥島の東で海上自衛隊のヘリコプター2機が墜落=平野真大撮影
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 伊豆諸島沖の太平洋で20日夜、海上自衛隊のヘリコプター「SH60K」2機が墜落する事故が起きた。2機は対潜水艦戦の訓練中、空中で衝突した可能性が高いとみられている。関係者によると、今回の事故は、海上自衛隊の護衛艦部隊のトップ・護衛艦隊司令官が、海自第4護衛隊群(4群、広島県呉市)の練度を確認する「訓練査閲」の最中に起きたという。

 査閲では、水上艦、航空機、潜水艦への対応など様々な観点から部隊の技量が検証され、護衛艦8隻で構成される護衛隊群として警戒監視を含む任務に即応できる練度に達しているのかについて厳しく評価を受ける。

 周囲を海に囲まれた日本の防衛にとって、周辺海域の警戒監視は重要な任務。その中でも、冷戦中から最重視されてきたのが、「海の忍者」とも呼ばれる潜水艦への対応だ。

米軍にも評価される海自の対潜能力

 海中に潜む敵の潜水艦が発するスクリュー音などの音の情報や通信電波などの探知、位置の特定、追尾や攻撃、また相手側からの攻撃の回避など一連の対応は「対潜水艦戦(ASW)」と呼ばれ、「海自の任務の核心中の核心」(防衛省幹部)とされる。

 米海軍からも海自のASWの能力は高く評価されており、中国への対応で西太平洋で任務にあたる米海軍にとって、「海自がASWで安全を確認してくれた海域には米軍も安心して部隊を展開できる」(米海軍関係者)と言われている。

 今回、2機のSH60Kの墜落事故は、そのASW訓練中に発生した。

 訓練には、4群所属の艦艇の…

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