築80年のJR荒尾駅 改修に向け前進 JRと荒尾市が基本計画協定

吉田啓

 今年で築80年となるJR荒尾駅舎の改修に向けて、熊本県荒尾市とJR九州が改修案の「たたき台」をつくるための協定を結んだ。来年3月末までに駅舎や通路、駅前広場の配置計画の作成などを進める。

 市によると、駅舎は1944(昭和19)年築で老朽化が進んでいる。改札口は駅舎が立つ西側1カ所にしかなく、駅東側に行くには迂回(うかい)して踏切を渡らなければならない。以前から「東側にも改札口を設けて欲しい」といった市民の要望があった。

 駅から約400メートル西側の荒尾競馬場跡地では区画整理事業が進んでおり、大型スーパーや道の駅、子育て支援施設などが建つ予定だ。荒尾駅の1日あたりの乗車人数は2022年度で887人。市は今後、利用者が増えると予想しており、駅周辺のまちづくりについて市民を交えたワークショップを21年12月から開いてきた。

 その中で駅舎について、「階段しかなく不便。エレベーター、エスカレーターが欲しい」といった要望や、「(駅の)東西をつなぐ自由通路、東口駅前広場の整備」といったアイデアが出された。

 市とJR九州は今後1年かけて駅構内の測量や、線路、架線といった駅施設の配置状況などを確認したうえで、市民の要望を落とし込んだ図案を作る。東西をつなぐ通路を設けた場合にどれだけの費用がかかるのかなど、経済比較も行うという。

 市は、作成した基本計画をもとにJR九州と協議を続け、駅舎改修の具体的な設計へとつなげていく予定だ。(吉田啓)…

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