2020年7月の豪雨で被災したJR肥薩線の不通区間のうち、熊本県の八代―人吉間を鉄道で復旧させる基本方針について3日、県とJR九州、国の3者が検討会議で合意した。大規模に被災した鉄道の路線が復旧するのは、JRでは東日本の只見線以来。33年度の運行再開を目指すという。

 肥薩線は八代(熊本県)―隼人(鹿児島県)の総延長124.2キロのうち、八代―吉松(鹿児島県)間の86.8キロで運休が続くが、このうち八代―人吉(51.8キロ)が復旧する。

 JR九州は不通区間全体の復旧費を約235億円と見込む。橋桁が複数流失していることから、河川整備事業などと連携させる形で国が200億円近くを負担。熊本県内の沿線12市町村の負担は県が担い、JR九州の負担は約25億円の見通し。自治体が駅や線路などの鉄道施設を所有・管理し、JRが運行を担う上下分離方式を採用する。

 熊本県は昨年12月、人口減少の加速も踏まえつつ日常利用の促進を図り、観光資源の魅力を最大限に生かす、などとした復興方針案を提示。JR側は「持続可能性を担保できない」と慎重だったが、地元の強い要望を最終的に受け入れた形だ。

 JR九州によると、19年度の…

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