那覇市がLRT導入計画素案を公表 2040年度から順次開業めざす

棚橋咲月
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 那覇市は28日、次世代型路面電車(LRT=ライト・レール・トランジット)の整備計画素案を公表した。市内を東西南北にのびる十字型のルートで、3路線・総延長11キロ。計画が順調にいけば、2030年ごろから着工し、40年度から順次開業を見込む。

 車両は高齢者らが利用しやすく、振動や騒音が少ないのが特徴で、二酸化炭素を出さない。市は09年から、既に市内を走るモノレール「ゆいレール」やバスなどとともに、市内をつなぐ交通網整備を検討してきた。

 LRTの整備で慢性的な渋滞の解消につなげたいとするほか、高齢者の免許返納後の交通手段の確保や観光の目玉の一つとしても期待している。

 建設費は480億円(概算)。運行は第三セクターが担う。市の試算では、1日あたり計2万1900人の利用を見込む。

 沖縄にはかつて県営の鉄道網が存在したが、太平洋戦争で焼失した。国内では昨年、宇都宮市で全国初となる軌道を全線新設したLRTが開業し、全国から視察が相次いでいる。(棚橋咲月)

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    阿部藹
    (琉球大学客員研究員・IAm共同代表)
    2024年3月30日22時50分 投稿
    【視点】

    「鉄軌道」は沖縄の人にとって特別な意味合いがある。沖縄ではかつて「軽便鉄道」が那覇と与那原や糸満、嘉手納の間を運行していた。しかし1944年の「10・10空襲」で那覇駅が焼失し、続く沖縄戦によって軽便鉄道は破壊されてしまった。2003年にゆ

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