「性別は変えられない」 埼玉・富士見市議が発言、人権侵害との指摘
埼玉県富士見市議会の加賀奈々恵議員(32)が今月の一般質問で、生まれた時の性別とは異なる性別で生きるトランスジェンダーをめぐり「どれほどの違和感や苦しみを持っていたとしても『性別』は変えられない」などと発言した。性の多様性を否定し、トランスジェンダーの人権を侵害する発言だとの指摘が一部の議員から上がり、加賀氏は21日、議会運営を混乱させたとして謝罪した。
加賀氏は13日の質問で「どれほどの違和感や苦しみを持っていたとしても、『性別』とは血液型がAB型であることと同じ、変えられない事実と考えます」「(当事者が社会的な性別移行や戸籍上の性別変更のために受ける)ホルモンの投与や生殖器の手術を行っても覆せない」と主張。性自認を尊重する施策について「女性専用の空間への男性の侵入」「子どもに対する不適切な処置」の懸念があるなどと持論を展開した。
共産党市議は「人権侵害ともとれる表現が使われた」「当事者を深く傷つけるものとして深く憂慮する」などとする決議を提案。議会内で協議した結果、加賀氏が議運で謝罪し、それを本会議に報告することになった。
加賀氏「傷つけないよう推敲した」
加賀氏は21日の議運に出席…
- 【解説】
たしかに、生物上の性別は完全には変えられない。そのこと自体は事実だ。ホルモン投与や性別適合手術を受けても、異なる性の生殖機能を得られるわけではないからだ。 しかし、この極めて複雑で高度に発達した我々人間社会において、「性別」という概念は社
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