在日クルド人に関する投稿「特定の民族への差別」 フリー記者を提訴

金子和史
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 埼玉県川口市などで暮らす在日クルド人らが、「X」(旧ツイッター)で「テロ組織の一員」などと投稿され名誉を傷つけられたとして、フリージャーナリストの石井孝明氏に500万円の賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。原告らが19日、会見して明らかにした。提訴は11日付。原告らは「一方的にデマが拡散され、涙が出るほど苦しい人権侵害を受けるようになった」としている。

 訴状によると、石井氏は昨年5月以降、Xで、原告の1人の実名とともに「PKK(凶悪なテロ組織)関係者として、資産凍結を受けている」と書いたり、クルド人の子どもの写真とともに「無教育状態」「半グレ状態」と書いたりした。

 原告側は「特定の民族を対象に誹謗(ひぼう)中傷を行い、差別している」と指摘。原告らはテロ組織とは無関係なのに、日本社会に危害を及ぼすかのような印象を読者に与える、と主張した。

 原告で日本クルド文化協会のワッカス・チカン代表理事(32)は「学校では子どもたちが最近『国に帰れ』と言われ始めた。デマが広まることで子どもたちが一番困っている」と話した。

フリー記者「言論を圧殺」

 石井氏は提訴を受け、「言論を圧殺し、問題解決を妨げる行為。原則として自分の取材や告発などを編集したものしか伝えていない」などとコメントした。(金子和史)

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