新幹線喫煙ルーム16日に廃止 でも切れないたばことの深い関係とは

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角詠之 細沢礼輝
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 東海道、山陽、九州新幹線の車内に設置されていた喫煙ルームが16日に廃止され、これで全国すべての新幹線が「全面禁煙」になる。近年の健康志向の高まりが主な理由だが、愛煙家の一部からは不評だ。話を聞くと、「移動中に吸えない」というだけでなく、たばことJRの切っても切れない関係があるようだ。

 「あいつら、どうなっているんだ」

 国土交通省の官僚は最近、愛煙家の国会議員からこう言われたという。あいつら、とはJRのことで、喫煙ルーム廃止に憤っていた。

 この官僚はたばこを吸わないが、「(議員もJRも)どちらの気持ちもわかる」という。

 禁煙をめぐる歴史は長い。

 1964年に東海道新幹線が開業した当時は全車両でたばこが吸えたが、76年に「こだま」の1両が初めて禁煙車となった。

 その後は禁煙運動などの高まりとともに禁煙車が増え続け、96年に喫煙車との割合が逆転。2003年施行の健康増進法で鉄道各社も含む事業者に受動喫煙の防止が義務づけられると、長野(現北陸)、東北、上越、秋田、山形の各新幹線が「全面禁煙」となった。

 東海道・山陽新幹線は07年登場の「N700系」から全席禁煙としたが、デッキに喫煙ルームを設け、「車内分煙」の姿勢を続けてきた。

なぜ愛煙家は憤っているのか

 ついに「全面禁煙」を迎えた…

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