「再構築」のJR芸備線めぐり任意協議会設置へ 広島県内の沿線3市

魚住あかり 黒田陸離
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 広島・岡山両県を走るJR芸備線について、広島市広島県内の三次市安芸高田市とともに、街づくりなどをテーマに広く議論する任意協議会を新年度に立ち上げる。広島市によると、国やJR西日本も参加する予定という。

シリーズ 線路は続くか

赤字ローカル線の問題を、現場取材や関係者へのインタビューを重ね、深めていきます。

 芸備線をめぐっては、JR西の要請を受けた国が、備後庄原(広島県庄原市)―備中神代(岡山県新見市)間の存廃などを話し合う再構築協議会の設置を発表。両県と庄原、三次、広島、新見の各市が参加し、3月26日に第1回協議会が予定されている。安芸高田市は同市の意向で参加しない。

 新たに発足する任意協議会では、広島市を中心とした「広島広域都市圏」内の自治体が、広島―三次間の68・8キロを対象に議論する。街づくりの一環としての芸備線のあり方や、既存駅の活用策などについて話し合う。最終的には法定協議会へ移行し、国の補助金を活用した具体的な対策を実施したい考えだ。

 広島市の戸田祐二・道路交通局長は19日の市議会本会議で、「3市が一つの経済体として広域的に連携し、主体的な街づくりを進めていく」とし、「公共交通ネットワークを持続可能で利便性の高いものにするために議論する」と説明した。任意協議会の設置・運営費は計約1200万円で、国が半額を負担し、残りは各市が人口規模などに応じて負担する。

 一方、広島広域都市圏に入っていない庄原市は、今回の任意協議会に含まれていない。市の担当者は取材に対し、「報道で知っているが、広島広域都市圏内での話と認識している。何も申し上げようがない」とした。木山耕三市長は9日の会見で「なぜもう一つ協議会を作るのか理由がわからない。庄原が入らない理由を聞きたい」と疑問を投げかけていた。

 湯崎英彦知事は、県として任意協議会に参加する意向を示している。(魚住あかり、黒田陸離)

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