フランス新首相にアタル氏 34歳、第5共和制で最年少、同性愛公表

パリ=宋光祐
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 フランスのマクロン大統領は9日、首相を8日に辞任したボルヌ氏(62)の後任として、前教育相のガブリエル・アタル氏(34)を任命した。AFP通信によると、1958年に始まった現在の政治体制「第5共和制」で史上最年少の首相となる。政権の求心力が低下するなか、マクロン氏は政治家として人気のある若いアタル氏に政権浮揚を託した形だ。

 アタル氏は1989年、パリ郊外クラマールに生まれ、エリート養成校のパリ政治学院などで学んだ。社会党のオランド前政権下で大臣補佐官を務めた後、2017年にマクロン氏の新党「共和国前進」から下院選に出馬し、28歳で初当選した。

 ボルヌ前首相のもとで昨年7月に教育相に起用されると、中学生の頃にいじめを受けていたことを公表。政府が同年9月に策定したいじめの予防策や加害者への厳罰を定めた「いじめの総合対策」を主導した。昨年12月の世論調査では政治家としての支持率が40%に上り、マクロン氏や右翼政党「国民連合」のルペン前党首らを抑えてトップの人気を得た。

 マクロン氏は9日、アタル氏に組閣を指示した上で、X(旧ツイッター)への投稿で「再生に向けたプロジェクトを実行するためのあなたのエネルギーと取り組みを頼りにしている」と呼びかけた。

 アタル氏は同性愛者であることを公表している。仏メディアによると、フランスで同性愛を公表した政治家が首相に就任するのは初めてのケースになるという。

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この記事を書いた人
宋光祐
パリ支局長
専門・関心分野
人権、多様性、格差、平和、外交