北陸新幹線の新ダイヤ発表 特急は全て指定席に

樫村伸哉
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 JR西日本が15日、北陸新幹線が敦賀まで延伸される来年3月16日以降の新しいダイヤを発表した。敦賀発の始発は午前6時11分発東京行きの「かがやき」だ。敦賀発着となる特急「サンダーバード」と「しらさぎ」は自由席を廃止し、全て指定席となる。

 停車駅が最も少なくて速い東京発着のかがやきは計10往復。うち9往復は敦賀発着で北陸3県では富山、金沢、福井の3駅に止まる。残り1往復は金沢発着で富山に停車する。

 9往復のうち4往復は富山、金沢、福井以外の停車駅を調整してきたが、「小松と越前たけふ」と「加賀温泉と芦原温泉」が各2往復で計4回ずつ停車することになった。停車駅の組み合わせについて、JR西日本の漆原健・金沢支社長は「小松と越前たけふはビジネス客を意識し、加賀温泉と芦原温泉は観光客も使いやすい時間帯の発着を考慮した」と話した。

 一方、週末を中心に新高岡に停車している臨時のかがやきは今回のダイヤ改定で定期便に昇格するが、新高岡は通過となる。JRの担当者は「今後も臨時列車の形で新高岡に停車する可能性はある」と含みを持たせた。

 「はくたか」は敦賀発着が5往復で、金沢発着が10往復。上りの一部は長野で後から着いたかがやきに抜かれていたが、発車時刻を見直すことで、3本はかがやきより早く東京に着くようになる。

 特急のうち、京都・大阪方面と結ぶサンダーバード、米原・名古屋方面と結ぶしらさぎは敦賀発着となる。近年の利用者動向を踏まえ、全席が指定席となる。現在は富山―金沢で運行している「つるぎ」が敦賀まで延伸し、25往復が走り、特急との乗り換えが便利なダイヤを組む。

 大阪からの平均所要時間は福井が1時間52分(現在より3分短縮)、金沢が2時間24分(同18分短縮)、富山が2時間50分(同27分短縮)となる。

 敦賀発東京行きの最終は午後8時11分発、東京発敦賀行きの始発は午前6時16分発、最終は午後7時56分発となる。敦賀―東京の最速所要時間は3時間8分で、米原から東海道新幹線に乗るより18分遅いが、金沢で新幹線に乗り換えるより50分短縮される。福井―東京は2時間51分、小松―東京は2時間40分で18~36分短縮される。

 金沢と七尾、和倉温泉を結ぶ七尾線、福井県の小浜線、越美北線は新幹線と接続しやすいダイヤに改定する。

 福井県の杉本達治知事は「敦賀での乗り継ぎ時間を短くし、東京で長く滞在できるダイヤにしてくれた。要望を最大限配慮してくれた」と評価した。

 石川県馳浩知事は「ダイヤが出たことでビジネスや旅行の時間計算を示すことができる。かがやきが小松や加賀温泉駅に停車することは、富山や長野のことを考えると異例の措置。誘客に力を入れていきたい」と語った。

 石川県加賀市の宮元陸市長は「観光客を配慮したダイヤ設定で、敦賀乗り換えも負担を感じずに移動していただけるのではないか。金沢止まり便を延伸し、金沢同等の増便を引き続きJRに働きかけていく」などとするコメントを出した。(樫村伸哉)

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