性別変更を求める審判、2度目の申し立て 今回は「希望を持って」

上山崎雅泰
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 女性の体で生まれ、男性として生活する岡山県新庄村の臼井崇来人(たかきーと)さん(50)が15日、岡山家裁津山支部に性別変更の審判を申し立てた。

 トランスジェンダーが女性から男性に戸籍上の性別を変えるのに、生殖能力を失わせる手術が必要とする「性同一性障害特例法」の要件について、10月の最高裁決定が「違憲」としたことを受けた2度目の申し立てとなる。

 臼井さんは2013年に性同一性障害と診断され、戸籍上の名前を変えた。手術は受けず、16年に性別変更を申し立てて、手術の要求は憲法自己決定権に違反すると主張したが、19年の最高裁判断では特例法の要件が「現時点では合憲」とされ、退けられていた。

 この日、記者会見した臼井さんは「希望を持って申し立てをした」と笑顔を見せ、「信念を持って前に進むことは大切だと思った」と述べた。

 この日は、ちょうど7年前に1度目の申し立てをしたのと同じ日。臼井さんは「当時と比べると時代が変わった」と語り、社会での理解が進みつつあることに喜びの表情を見せた。

 記者会見で「一歩を踏み出したことで、現在では最高裁も違憲決定を出してくれ、後ろ盾もできた」と振り返った。実名で発信を続けていることに「隠れていては社会が変わらない。自分の人生に責任を取るつもりで表現していこうと決意していた」と打ち明けた。

 臼井さんは現在、パートナーと生活している。申し立てが認められ性別変更できれば、法的に結婚が可能になる。「(認められるかどうか)気が抜けないが、結婚したいです」

 特例法は改正されていないが、臼井さんは申し立てに踏み切った。

 代理人の大山知康弁護士は「全国で同じ悩みを抱えた人も、法改正を待たずに申し立てできることを知ってもらえれば」と意義を語った。(上山崎雅泰)

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