米ラスベガスの乱射事件、日本人女性が犠牲に 大学で日本語教える

サンフランシスコ=五十嵐大介
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 米ラスベガスにあるネバダ大学ラスベガス校で乱射事件があり、地元警察によると、同大准教授で日本語を教えていた日本人女性タケマル・ナオコさん(69)ら3人が撃たれて死亡した。ほかに1人が重体で、容疑者も死亡した。

 警察によると、6日午前11時45分ごろ、同大構内で銃撃が起きたと通報があった。警官が現場に着くと、アンソニー・ポリト容疑者(67)が警官に発砲。警官が撃った複数の銃弾を受け、現場で死亡した。容疑者は攻撃対象とみられるリストを持っていたが、被害者らの名前はなかったという。

 警察によると、ポリト容疑者は事件前に全米の大学の人事部宛てに20通以上の手紙を投函(とうかん)していた。ポリト容疑者は元教員で、ネバダ州内の大学の教員職に応募していたが、複数回にわたり不採用となっていたという。米メディアによると、ポリト容疑者のウェブサイトには陰謀論に関連するサイトへのリンクも含まれていたという。

 大学によると、亡くなった3人はいずれも同大の教員で、タケマルさんは同大で約20年間、日本語や日本文化を教えていた。キース・ウィットフィールド学長は声明で「大切な3人の教員の死を乗り越えるのは困難だが、彼らの思い出が私たちを励ましてくれる」と述べた。

 バイデン米大統領は8日、ラスベガスを訪れ、「今年だけで米国で600件以上の乱射事件が起きた。これは正常ではない。議会は立ち上がる時だ」と訴えた。

 同大はハリーリード国際空港の北側で、観光客でにぎわう中心部の目抜き通り「ストリップ」から東に約5キロに位置する。(サンフランシスコ=五十嵐大介

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