リニアの新駅に自動運転バス 飯田市など導入を検討へ

佐藤仁彦
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 品川(東京)―名古屋間を結ぶリニア中央新幹線の中間駅として長野県飯田市に新設される駅の周辺整備について、近隣の市町村などが意見交換する検討会議の合同全体会が16日、同市で初めて開かれた。交通事業者や県の担当者を含め約90人が参加。今後、分科会ごとに課題を整理し、整備案を2025年度中にまとめる。

 リニアの新駅はJR東海が飯田市座光寺、上郷飯沼の両地区にまたがる形で建設中。市も周辺6・5ヘクタールの範囲に駅前広場や500台分の駐車場などを設ける。

 市などはリニア開業効果を広く地域振興に生かすため、交通アクセスと駅前広場に関する二つの検討会議を設置。それぞれの下に「自動運転」や「観光案内」「移住促進」などの分科会を設け、どのようなサービスを提供するかなどの課題を議論する。

 この日の会合では、新駅から飯田市にある産業振興拠点「エス・バード」やJR飯田線の元善光寺駅を接続する「二次交通」として、自動運転技術を使った小型バスの導入を検討する方針などが報告された。

 全体会の座長を務めた飯田市の高田修・副市長は「リニア効果を地域全体に広げるためにも、関係者間の情報共有を進め、同じ方向で努力していけるようにしたい」と述べた。

 リニアはJR東海が品川―名古屋間の27年の開業を目指してきたが、静岡県大井川の水問題などを理由に静岡工区の着工を拒んでおり、開業時期が見通せなくなっている。佐藤仁彦

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