人口密集地の難民キャンプも壊された 衛星データで見えたガザの被害
イスラエルとパレスチナ自治区ガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスの軍事衝突で、ガザ地区では、人口密集地の北部を中心に被害が拡大している。イスラエル側は標的はハマスだとしているが、朝日新聞が入手した衛星画像の分析を見ると、難民キャンプやモスク、病院など、多くの民間施設が被害にあっていることがわかる。
ガザ地区は南北の全長約41キロ、福岡市ほどの大きさの中に約220万人が暮らす。特に北部にはガザ地区最大のジャバリヤ難民キャンプや、65万人以上が暮らす最大都市ガザ市があり、人口が集中している。国際機関や大学、病院も多い。
朝日新聞は、米オレゴン州立大とニューヨーク市立大の研究者が衛星画像を使ってガザ地区の被害状況を分析したデータの提供を受けた。分析は10月の「11日以前」「12~16日」「17~25日」の3回に分けて行われた。空爆ははじめ、北部を中心に行われ、その後南部でも増えていることがわかる。衛星画像を人口分布図と重ねると、北部の人口密集地と空爆エリアが重なり、大きな被害が出ていることが推察される。
ガザ地区では8日夜から9日朝にかけてイスラエル軍の大規模な空爆があった。分析を見ると、北部のジャバリヤ難民キャンプとシャティ難民キャンプの近くで建物の損壊などの被害が出ている。国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)によると、二つのキャンプには戦闘開始前は計20万人以上が暮らしていた。
米CNNが9日に公開した空爆直後のシャティ難民キャンプとされる映像では、叫び声と救急車のサイレンが響く中、がれきの粉じんで真っ白になった人が運ばれ、車の下敷きになった人の姿が見える。キャンプ内の複数のモスクも破壊された。米紙ニューヨーク・タイムズによると、イスラエル軍は「モスクがハマスの拠点となっていた」と発表したという。
分析で損壊が見られるガザ地…
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イスラエル・パレスチナ問題
イスラム組織ハマスが2023年10月7日、イスラエルに大規模攻撃を行いました。イスラエルは報復としてハマスが実効支配するパレスチナ自治区ガザ地区に攻撃を始めました。最新のニュースや解説をお届けします。[もっと見る]