ガザ、医療崩壊の危機 届かぬ燃料、未熟児130人「深刻なリスク」

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エルサレム=高久潤 高野裕介

 イスラム組織ハマスを掃討するため、イスラエルがハマスの拠点であるパレスチナ自治区ガザ地区への空爆を激化させるなか、ガザ地区の医療が崩壊の瀬戸際にある。イスラエルによる封鎖で病院の稼働に必要な燃料は届かず、多くの命が危険にさらされている。

 「この病院の医療システムは完全に崩壊している」。イスラエル軍による退避警告が出ているガザ市のシファ病院のムハンマド・アブシルミヤ医師は25日、朝日新聞スタッフの電話取材に訴えた。

 ガザで最大規模のこの病院には最大で500人ほどが入院できるが、現在受け入れているのは約1千人。ベッドが足りず、多くの患者が院内の廊下や敷地内に張られたテントに横たわっている。

 イスラエル軍による空爆があると、100人前後の負傷者が病院に運び込まれることもある。うち半数ほどは緊急の手術が必要で、「手術室の外での治療を余儀なくされている」という。国連によると、この病院には21日から始まったガザへの人道支援物資の搬入に伴い世界保健機関(WHO)から医薬品などが届けられたが、まったく足りていないという。

医師「言葉で言い表せないほど破滅的な状況」

 この惨状に拍車をかけるのが…

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この記事を書いた人
高野裕介
国際報道部次長|欧州、中東
専門・関心分野
中東、紛争、外交、国際政治
イスラエル・パレスチナ問題

イスラエル・パレスチナ問題

イスラム組織ハマスが2023年10月7日、イスラエルに大規模攻撃を行いました。イスラエルは報復としてハマスが実効支配するパレスチナ自治区ガザ地区に攻撃を始めました。最新のニュースや解説をお届けします。[もっと見る]