第9回袴田さんの拘禁症状「世界でも例ない」 問診した医師も分からぬ今後

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田中恭太

 死刑判決が確定した袴田巌さん(87)の裁判をやり直す再審が27日、静岡地裁で始まった。半世紀にわたって拘禁された袴田さんには慢性的な「拘禁反応」が見られ、再審にも出廷しなかった。拘禁中や釈放後に袴田さんを診察し、拘禁反応に詳しい精神科医の中島直医師(58)=多摩あおば病院院長=に、袴田さんの状態や回復の見通しなどを聞いた。

 ――拘禁反応とは何でしょうか。

 刑務所や拘置所などに拘禁されて、色々な精神症状が出てくることです。裁判の進行や家族など、外部の動きなどが影響することもあります。症状で一番多いのは頭痛やめまい、吐き気などで、ほとんどは自然に軽快します。

 なかには、被害妄想や、無罪であるという妄想、恩赦などで釈放されると確信する赦免妄想などが生じたり、急に大暴れをする「爆発反応」や、自分の便や食事をもてあそぶといった行動などが見られたりもします。

 ――どう診断するのでしょうか。

 他の精神医学的な診断と同じ…

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この記事を書いた人
田中恭太
国際報道部
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国際情勢、裁判、デジタルプラットフォーム、独占禁止法