選挙、独り身じゃダメですか 補選で浮かぶ根強いジェンダーギャップ
夫である候補者とともに頭を下げ、代わりに演説も――。国政選で「候補者の妻」の役回りを演じる女性が少なくない中、22日投開票の参院徳島・高知補選に立候補した自民新顔の西内健氏(56)は独身で、自らを「1馬力」と称した。日本の政治は性別分業が根強いが、本当に「内助の功」は必要なのか。
「彼は2馬力。素晴らしい奥さんがいる。私、1馬力です。皆さんに助けていただかなければならない」。9月下旬、西内氏は、2022年参院選で同じ選挙区から当選した自民現職を引き合いにこう訴えた。
会場の苦笑を誘った訴えには理由があった。
別の自民現職が6月に暴力行為で辞職。急な補選で、白羽の矢が立ったのが、党高知県連幹事長だった西内氏。ただ本人は「想定外」で、県連の選考を経て候補に決まる前も後も、「自分は独身だけど本当にいいのか」と周囲に話していた。
国会議員の夫を妻が支える構図は、今も根強くあります。記事の後半では、「前時代的」と指摘される日本の政治の現在地を分析。ジェンダー問題に詳しい三浦まり・上智大教授に、根底にある問題点を指摘してもらいました。
短期決戦、まして徳島・高知選挙区は広い。16年の合区導入後、多くの候補者が、本人が高知にいれば妻は徳島に、妻が高知にいれば本人は徳島にと、分担して街頭演説や集会に臨んでいた。
「奥さんどうした」、議員が「妻の代役」
西内氏が参院選に向けて活動…
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- 【視点】
今、日本の政治に必要なのは様々な価値感や生活背景をもった人が議員になることです。衆院の9割が男性議員という日本にあって、「内助の功」に支えられた同質的な男性議員ばかりでは、独り身の男性が抱える将来不安や孤独に想像も及びません。 実際、経済
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