「Dappi」投稿で議員中傷、地裁が賠償命令 会社の業務と認める
匿名のツイッター(現X)のアカウント「Dappi」の投稿で名誉を傷つけられたとして、立憲民主党の国会議員2人が東京都内のウェブコンサルティング会社と社長らに損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁(新谷祐子裁判長)は16日、会社側に計220万円の賠償と、投稿の削除を命じる判決を言い渡した。
ただ、会社側が文書の全面開示や説明を拒んだため、投稿者の詳細は不明で、投稿の目的や背景は分からないままだ。
このアカウントは、国会中継やネット番組の動画を切り取って野党や報道機関について誤った印象を与えるなどの投稿を繰り返していた。
2020年10月には、森友学園問題で公文書改ざんを強いられた後に自死した財務省近畿財務局の職員について、小西洋之、杉尾秀哉両参院議員の名前を挙げ、「(2人が)1時間吊(つ)るしあげた翌日に自殺」と投稿。両議員は名誉毀損(きそん)だとして、投稿に使われたインターネット回線の契約者だった都内の会社側を訴えた。
名前が黒塗りの給与明細
訴訟では、投稿が会社の業務だったかが争われた。会社側は従業員の私的な投稿と主張。投稿者を減給処分にしたと示すため給与明細を提出したが、氏名は黒塗りで、地裁から黒塗りのない明細を出すよう命じられても拒んだ。
「投稿者を特定すれば危害が及ぶ可能性がある」との理由で、社長や専務は尋問でも説明を避けた。民事訴訟法では正当な理由なく尋問への答えを拒んだ場合、裁判所は相手側の主張を真実とみなせる。
判決は、投稿が平日の日中に集中していたことなどから、「投稿者は業務時間の大半をあてていた」と指摘。投稿者の基本給が月110万円だった点から「会社で相応の地位にあるか、重要な業務を担当している」と認めた。
会社の役員と従業員は15人で、社長が従業員の仕事内容をおおむね把握しているため、「投稿は社長の指示で業務として行われた」と結論づけた。社長個人の責任も「包括的な指示で投稿させ、あるいは自ら投稿していた」として認めた。
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