不屈のモハンマディさん、獄中で人権勉強会も 女性の離婚の権利訴え

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テヘラン=佐藤達弥

 ノーベル平和賞の受賞が決まったイランの人権活動家ナルゲス・モハンマディさん(51)は、「反体制的なプロパガンダの拡散」などの罪で、テヘラン市内のエビン刑務所に収監されている。ここ10年間の大半を獄中で過ごし、夫や2人の子どもと会えない日々が続く。イランの女性がかぶるよう義務づけられている布「ヒジャブ(ヘジャブ)」をめぐる大規模デモが起きた昨年9月以降も、獄中からSNSを通じ、女性の人権を訴え続けてきた。

 テヘラン大学で政治学を研究するサデグ・ジバキャラン教授(75)は1990年代末、学内であった人権や自由に関するシンポジウムで、モハンマディさんと共に登壇した。

 終了後のティータイム。「禁錮を言い渡されることは怖くないですか」と尋ねると、ヒジャブを緩くかぶったモハンマディさんは穏やかな笑顔で、「監獄はあなたが思うほど悪いものではありません。徐々に慣れますよ」と答えた。

 「あなたは勇気がある」とジバキャランさんが褒めると、モハンマディさんは「学生たちの方が勇気があります」と返した。「とにかく謙虚で、(自らが置かれた状況に)不平を言わない性格。シンポジウムでは一日中でも会場にいそうなくらい、丁寧に学生の質問に答え続けていた」

 米紙ニューヨーク・タイムズによると、モハンマディさんは獄中にいるときも、「被害者」として振る舞うことを嫌う。

 女性の囚人たちと鍋をたたい…

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この記事を書いた人
佐藤達弥
国際報道部
専門・関心分野
昭和史、ジェンダー、中東・ロシア